改めてスペシャルティコーヒーとは?

「スペシャルティコーヒーって何ですか?」 昨日お客様から聞かれた質問です 認知されたようでイマイチわからないスペシャルティコーヒー さて皆さんなら何とお答えしますか? 「おいしいコーヒー」 「生産者の顔が見えるコーヒー」 「特別なコーヒー」 「スッキリしたコーヒー」 「しっかり管理されたコーヒー」 どれも合ってるような、でも違うような、、 一般社団法人日本スペシャルティコーヒー協会によると定義によると
消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。  
”風味が素晴らしい美味しさ”とありますから「おいしいコーヒー」が合ってるようですね、しかしこの後風味の素晴らしいについての説明があり
風味の素晴らしいコーヒーの美味しさとは、際立つ印象的な風味特性があり、爽やかな明るい酸味特性があり、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていくこと。  
なるほど、”爽やかな明るい酸味”とありますので「スッキリしたコーヒー」も該当しそうですね さらに続きがありました
カップの中の風味が素晴らしい美味しさであるためには、コーヒーの豆(種子)からカップまでの総ての段階に於いて一貫した体制・工程で品質管理が徹底している事が必須である。(From Seed to Cup
ほぉ「しっかり管理されたコーヒー」でもあり、さらに
日本スペシャルティコーヒー協会は、生産国から消費国にいたるコーヒー産業全体の永続的発展に寄与するものとし、スペシャルティコーヒーの要件として、サステナビリティとトレイサビリティの観念は重要なものと考える。  
「生産者の顔が見えるコーヒー」でもある。 ってことでどれも正解だし、どれも言葉が物足りない感じ。 この一言で表せない定義がスペシャルティコーヒーの特別ならではのジレンマなのではないでしょうか さらにさらに 上記はあくまで言葉としての定義ですので、具体的な”品質”についての記載がありません。そのため補足説明があり

「スペシャルティコーヒーのカップ・クォリティを判定する為にはスペシャルティコーヒーに適用可能な判定の尺度を使うことが必要である」

そりゃそうですよね、何を持って”美味しさ”と評価するのかの共通軸がなければコンセンサスとれませんもの
1. カップ・クォリティのきれいさ これはコーヒーの品質の基本的スタートポイントとなるもの。カップのきれいさとは「汚れ」又は「風味の欠点・瑕疵」が全く無い事。コーヒーの栽培地特性「Terroir」がはっきりと表現されるために必須な透明性があること。風味の「汚れ」「欠点」があると、Terroir による風味のプロフィールが隠され、飲む人が感知できにくくなる。 2. 甘さ コーヒーのチェリーが収穫された時点で、熟度が良く、且つ熟度がどれほど均一であったかに直接関係する甘さの感覚。甘さとは、焙煎されたコーヒーに含まれる糖分の量が絶対的なものではなく、甘さの印象度を創造する他の成分・要素との結合にも依存する。又、糖分が高くても、甘さを感じることを阻害する要因―辛さのある苦味、刺激的な酸味、強い汚れ、渋み等が有ると甘さを感じにくくなる。 3. 酸味の特徴評価 コーヒーが如何に明るさを持つか。明るい爽やかな、あるいは繊細な酸味がどれ程であるかが評価対象。良質の酸味は、コーヒーに生き生きとした印象度を与え、繊細さ、しっかりとしたバックボーンを与えるもの。 酸度の強さではなく、酸の質について評価をする。 反対に、刺激的な酸味、不快な印象度を与える酸味、爽やかさ・キレの無い酸味、劣化した嫌な酸味は、スペシャルティコーヒーには有ってはならない。 4. 口に含んだ質感 コーヒーにより伝えられる触覚。口に含んだ質感には、粘り気、密度、濃さ、重さ、舌触りの滑らかさ、収斂性感触などの感覚・触覚が含まれる。口に含んだ時の量感は、質感とは同じではない。量感に気をとられ過ぎると不快なザラツキによる触覚をコクと誤って判断する結果となる。質感の品質を評価せねばならない。 5. 風味特性・風味のプロフィール スペシャルティコーヒーと一般のコーヒーを区別する最も重要な項目。 味覚と嗅覚の組み合わせ。栽培―収穫―回収―選別―生産処理―保管―焙煎―抽出が理想的に行われれば、栽培地域の特性―Terroir ―が正しく表現されるもの。 コーヒーが一般的なプロフィールしか持っていないのか、あるいは栽培地の地域特性―Terroir が純正に表現できているかを明確に評価する。 6. 後味の印象度 コーヒーを飲み込んだ後で持続する風味は、コーヒーの他の属性により醸し出される心地よさを強める場合、弱める場合、あるいは一切駄目にしてしまう場合とがある。 コーヒーを飲み込んだ後の「口に残るコーヒー感」が、甘さの感覚で消えて行くのか、あるいは、刺激的な嫌な感覚がにじみ出てくるのかを判定する。 7. バランス コーヒーは風味の調和が取れているのか? 何か突出するものは無いか? 何か欠けているものは無いか?  
みなさん付いてこれてますかー これまでも難しかった定義がさらに専門的な話になってきましたね この評価項目は我々プロがコーヒーを評価する際にも使用する尺度であり いわば”From Seed to Cup”コーヒーの生産者から抽出後の液体までの全てに携わる人々の共通言語のようなものです このテイスティング評価をコーヒーではカッピング(Cupping)と言います はい、ここで宣伝 今度の日曜日ご近所のカフェ・SPACE Rさん主催のテイスティングイベント hoho-tea×TORREFAZIONE RIO「世界を旅する紅茶とコーヒー」 11時からの部が若干空席あるようです コーヒーと紅茶を同時に評価できるまたとない機会です

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ぜひ! 参照元 日本スペシャルティコーヒー協会 http://www.scaj.org/about/specialty-coffee